水際対策緩和

2020年から、途中一時的な緩和はありましたが、これまで長く続いていた水際対策がようやく緩和されました。
11月5日に官房副長官から発表された水際対策緩和は、11月8日から実施に移されました。
短期のビジネス入国者の受け入れ緩和と中長期の入国者の受け入れ緩和です。
とはいえ、すでに在留資格認定証明書を所持していながら、入国を待っていた外国人が約37万人も待機していることから、現実に入国するのはそう容易ではないようです。

今回の新たな入国のための手続きが新たに定められていますが、入国の必要性を判断し、感染症防止の措置に万全を期すためには相応の手続きが必要ということなのでしょう。その手続きに従って、入国が段階的に認められていくということです。

1. 水際対策緩和措置の概要

①ワクチン接種者に対する入国後の行動制限の見直し
ワクチン接種者に対して、入国後3日後に再検査をし、入国後4日目から活動計画書に沿った活動が認められます。ただし、14日間の自宅等待機は必要です(なお、この14日間の期間も短縮される場合があります)

②外国人の新規入国制限の見直し
これまで受け入れを停止してきた外国人のうち、次のア、イの新規入国者に関して、企業等の受け入れ責任者の管理の下に入国者総数の枠内で新たに認めることとなります。

ア ビジネス目的の短期間(3か月以内)の滞在者

イ 中長期間の滞在者

なお、観光目的の入国については、国内の感染状況等も踏まえつつ、年内を目途に行動管理の実効性について検証を行い、今後の入国再開に向けて検討を進めるとされています。

③手続の概要
新規入国を希望する外国人については、次の手続きが必要です。
誓約書及び活動計画書を含む申請書式を、日本国内に所在する企業等の受け入れ責任者から、業所管庁にメールで提出し、当該業所管庁から事前に審査を受けた場合、「特段の事情」があるものとして、新規入国を原則として認めることとされます。この場合の業所管庁とは、当該外国人の入国用務に係るビジネス等を所管する省庁です。
事前審査済証が出されたらば、その他の必要書類を加えて滞在国にある日本の在外公館に査証申請を行います。

④人数制限
1日に入国できる人数は3500人であり、11月26日からは5000人となります。これには帰国する日本人の数も含まれます。

おそらく人数制限は検疫のキャパシティによるものと思われますが、フライトの予約も大変になるのではないでしょうか。日本乗り入れの航空会社には人数が割り当てられることになり、割り当てに達したら航空会社は新たな予約を受け付けないことになります。

在留資格認定証明書を所持しながら入国を待機させられている約37万人の外国人の内で人数の多いのは留学生と技能実習生ですが、これらの入国目的の外国人については、1日に入国できる人数に制限があることから段階的に入国を認めていくということで、まずは、在留資格認定証明書の発行順の古い外国人から、さらには日本語学校については適正校等で受け入れられる場合から、技能実習生は一般監理団体の監理を受ける場合からそれぞれ受け入れられるとなっています。

(注) ここで外国人の受け入れ制限の根拠について少し説明しておきます。

外国人の入国を制限する根拠は、入管法上の上陸拒否の規定と、外務省の査証発給の権限です。

①入管法
同法第5条第1項第14号には、「前各号に掲げる者を除くほか、法務大臣において日本国の利益または公安を害することを行う恐れがあると認めるに足りる相当の理由がある者」の上陸を拒否するとなっていて、この条項を根拠として「特段の事情」がある場合を除いて大部分の国に居住・滞在していた外国人の入国を拒否することとしています。

そして11月8日の前には、日本人・永住者の配偶者または子や一部の例外について特段の事情があるとして入国を認めていたところ、今般、業所管庁の審査を経た者を特段の事情があるとして広く入国を認めることとしました。

②査証
外務省は、特段の事情がある場合を除いて査証の発給をすべて停止していましたが、今回、業所管庁の審査を経た者については特段の事情があるとして査証を発給することとしています。今後外国人の来訪が順次緩和されていくのは、日本の社会にとっても望ましいことと思います。

以上

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